先々月に初めてディッキアの種の販売を開始してから、実生の方法を教えてほしいというお問い合わせをたくさんいただくようになりまして、せっかくなので記事にまとめてしまおうと思い立ちました。

これから数回の記事に分けて実生の方法や管理方法、注意点、失敗談などをまぜながら、最終的に大きくなった苗を鉢に植え替えるところまで書きたいと思います。

実生は未だベストな方法を模索中ではありますが、5年ほど前より試行錯誤をしながら通年で実生苗を管理してきたので、失敗することもほぼなくなり、不測の事態が起きた場合も即対応できるような実力はついてきました。

実生が初めての方や、どうしてもうまく育てられなくて死なせてしまうといった方に、私が経験で得た内容をお伝えできればと思います。

 

それではさっそく、Chapter1. 種まき編からスタート。

 

1. 準備

まず準備物です。

 

  1. ディッキアのタネ
  2. タッパー (無色でなるべく透明度の高いもの・電子レンジOKのもの・高さ6cm以上)
  3. 土A - 混合土
  4. 土B - バーミキュライト
  5. 園芸用ラベル 1枚

 

あと鉛筆、油性ペン、ハサミ、カッターをご用意ください。

マスキングテープは最後に容器に貼り付けて実生開始日を記載するのに使いますが、容器に直接書いていただいてもいいです。

 

2.土について

まずは混合土をつくります。

配合については人それぞれですが、結論から先に私は以下の配合で実生を行います。

 

混合土 = 赤玉土(微粒) : 7 + 軽石(微粒) : 2 + 培養土 :1

 

ざっくりとポイントを言いますと、まず一つ目は細かい粒を選ぶこと

生まれたてのチビ苗は当然根ヒョロヒョロで、生えたての直下に大粒があると根を張るのに苦労します。

ベースに赤玉土を使いますが、ホームセンターなどではよく大粒・中粒・小粒・微粒の順番で置いてあるかと思います。

最小の微粒をチョイスしましょう。小粒ではまだ大きいです。

 

もう一つのポイントは有機物の割合です。

ベースになる赤玉土と軽石はいわゆる無機用土と呼ばれているもので、養分がほとんど入っておりません。

一方培養土は窒素やリン、カリウムなど、植物の育成に必要な要素がバランスよく配合されています。

今回はホームセンターなどで販売されている培養土、いわゆる野菜の土と呼ばれるものを使いますが、これは約1割にとどめます。

理由は、ほぼ締め切ったタッパー内では有機物の割合が多いとカビや雑菌、苔の大量発生の原因となるからです。

どっちみちこれらの発生は避けられないのですが、長期スパンで育てることを考えると有機物は極力少ない方が範囲を抑えられます。

 

配合土はこんな感じ。

 

続いて、配合土とは別にバーミキュライトを用意します。

これは配合土の上に5mm程度敷きます。混合土全体が隠れるぐらいでOK。

発芽したてのチビ苗に対して微粒の土はまだ少し大きく、苗が傾いたり倒れたりすることがあります。ですので更に細かいバーミキュライトを敷くわけです。

根がバーミキュライトを通過し、混合土に到達したあたりで本数も増え、活着しやすい状態になっているので、安定しやすくなる仕組みです。

バーミキュライト。大きな塊がある場合は砕いておきましょう。

 

3.容器にセット

土の用意ができたら、いよいよ容器にセットしてタネをまく準備をします。

最終の完成形をイラストで描きました。

あまり土を盛りすぎると成長してから蓋がしまらなくなるので、2cm以上の空間を空けておきましょう。

土は3cm以上盛りたいところ。ですので容器は5〜6cm程度の高さがほしいところですね。

ざっと計算していただいて、あとは土の高さのところに孔を空ける処理をします。

これは空気孔と排水口の役割を果たします。

水を継ぎ足すときにたまに入れすぎたりするので、これで調節できます。

容器の底に孔を空けて即排水する手もありますが、屋内の簡易温室などで管理してる場合は、出た水のその後が面倒なので個人的にやらないようにしています。

まぁそれは好みということで。

しるしをつけてカットします。

しっかりした厚手のタッパーは硬いので手を切らないように気をつけて...。

土を盛って、水で浸します。

ちょっと盛りすぎたわ...。まぁだいたいで大丈夫!

 

4.電子レンジで殺菌処理

ここで突然ですが、セットした容器を電子レンジで加熱します。

水で浸した状態でそのままやっちゃってください。

加熱処理をすることである程度雑菌を減らすことができます。

蓋をして700wで1分半程度でしょうか。土が熱くなるまで加熱します。

やりすぎるとバーミキュライトが膨張してしまいますので、目を離さないようにしてください。

電子レンジがない場合は、かわりに上から熱湯を注いでもOK。

加熱ができたら冷めるまで待機。そして次はいよいよ種まきです。

 

5.種まき〜ラベル貼り

土が冷めたらいよいよ種まきです。

周囲1cm程度の間隔をもってぱらぱらと配置し、ピンセットで位置を調整します。近づきすぎると土の取り合いになり、また植え替える時に根が絡まって引き剝がしにくくなりますのでこれぐらいの距離を保つと良いです。あと上に土は被せなくてOK。

今回はΦ90mmの容器に対してタネ40粒程度でまんべんなく蒔けました。

蒔き終わったら霧吹きで全体を濡らします。

 

ここでポイントですが、ラベルを使ってエリアを二つに区切ります。

空気孔のちょうど反対側に差し込んで、タネ側の面に品種名を記載します。

水を継ぎ足す時は、ジョウロなどで直接注いだりすると土がまきあげられてタネが流れてしまったりするので、このように水さし専用エリアを作ってラベルに防波堤の役割も担ってもらうわけです。

 

最後にマスキングテープを貼り、実生開始日を記載します。

品種が一つしかない場合はこちらに記載してもいいですね。

 

6.管理方法

最後に管理方法についてですが、私はいつも室内・LEDライト照射で管理しています。

 - 置き場所について -

室内管理の場合、ラックなどを用意して上からライトを当てます。

屋外で管理することもできますが、時期によってはやや管理が難しいので私は避けています。

たとえば、発芽したての苗は適度な湿度が必要で、蓋をした状態がちょうどよいのですが、そのまま直射日光にさらすと内部の温度が上がりすぎて、苗が溶けてしまったりします。

特に昨今の夏場の気温と照度は確実に大ダメージを与えますので絶対に避けてください。

 

 - 光源について -

植物育成に向いたライトを用意します。

私の場合はGrassyLeDio RS122Cを使用しています。

主に熱帯魚水槽用に展開されているシリーズで、水草の光合成に必要な光の波長がバランスよく組み合わされています。

観葉植物にも有用で、室内管理の際の補助光としても力を発揮します。

ライトは様々なものが販売されていますので、環境や予算に合わせていろいろと試してみるのもいいですね。

照射時間は毎日8時間程度。

 

- 温度について -

温度は最低でも20℃以上、理想は30〜35℃ぐらいほしいところ。

夏も過ぎ去り、やや涼しくなってきたこの時期では、気温+電球の熱でちょうど30℃前後になります。

 

chapter1. 種まき編は以上になります。

冬場は簡易の温室が必要になりますが、この件に関しましてはまた記事にする予定です。

 

それでは。

 

 

[ 関連記事 ]

ディッキアを種から育てる 〜 chapter2. 発芽・カビ取り編 〜

ディッキアを種から育てる 〜 chapter3. 植え替え編 〜