今回は実生用の環境で育ててきた苗を植え替えする工程と、

屋内環境(簡易温室)から屋外環境へ移行していく工程を書いていこうと思います。

 

チャプター3は順番的に冬場の簡易温室の話をする予定でしたが、

今年の冬に入る前にチャプター4で書くことにします。

ですので今回は、冬季の間、人工的に管理された温室で育てた苗を想定して、話を進めていきます。

箇条書きですが、温室は以下のような仕様でした。

 

  • 温室はメタルラックに農業用ビニールを巻き、簡易的に作成。
  • 室内の日差しが入る窓辺に設置。
  • 日差し+ヒーター稼働で、内部温度を昼間30〜35℃、夜間は20℃前後にキープ。
  • 補助光として、光合成に有効なLEDライトを照射。
  • ミニ扇風機で温室内の空気を循環。

 

 

それでは植え替えの説明に入ります。

まず、苗の状態から。

種まきからおよそ9ヶ月の状態です。かなり大きく、逞しくなってきました。

この苗たちは'Jaws'と'Bare Bones'の交配ですので、トリコームと鋸歯が特徴的な姿になりそうですが、現段階ではなんとなくその特徴が現れてきてますね。

 

現状、大きいものでは直径で3cmほどのものから、小さくひ弱そうな苗もぽつぽつ見られます。

相対的にみて、成長が芳しくない苗は不良なのか、というとそうではなくて、

単に根張りの量が少ないとか、成長のブーストをかけるタイミングを伺ってるか、などなど、個体別に様々な理由があると思います。

ですので成長が遅い苗も気長に待ってあげましょう。

出足が遅くとも、あとあと大成し、立派な個性を発揮する個体もいます。

 

 

さて、とにかく大きくなってきたので、隣近所とガシガシぶつかってる苗が目立ってきました。

もう少し広い家に移してあげましょう。

ピンセットを土に深く刺し、下から起こす要領で土ごと苗を引っこ抜きます。

根がかなり発達していて、互いに絡まってしまっています。

 

ピンセットを使ってひとつずつ、優しく引き剥がしていきます。

 

土が残っている部分は根が活着しています。

なるべく取り払わずに残してあげましょう。

 

 

次は引越し先の育苗パレットです。

土はチャプター1で作った混合土に、少量割合の腐葉土と、化成肥料(マグァンプK小粒)を加えています。

 

苗を挿すために予めピンセットで穴を掘っておきます。

事前に土を水で濡らしておくと、崩れにくく作業しやすいです。

 

苗を一つずつ持って、ピンセットで挿していきます。

根を痛めないように優しく慎重に。

 

最後に土を被せて完成です。

株元が見えなくなるぐらい、少し深めに挿すとグラつかず安定します。

 

 

環境変化に慣らす

植え替えも完了し、屋外で育てる準備ができました。

あとは外に出すだけと思いきや、ここで最も注意すべきことがあります。

それは、屋内と屋外の環境変化です。

当然ですが屋外は光量差、気温差、風の有無、晴天曇天、雨など、変化の激しい環境。

これまで甘々設定だった温室からいきなり厳しい自然環境に身を移すわけです。

適応力のある成体株ならいざしらず、植え替えたての幼苗ですので、徐々に外の環境に順応させるスパンが必要になります。

 

外に出すタイミング

基本的には温室で設定していた気温になるべく近い時期に合わせればOKです。

もしくは日中の最高気温が25度以上になる時期を目安にしてください。6月頭までくれば安心して出せます。

 

直射日光に注意する

屋内から屋外に環境を移す際に、特に注意が必要なのは直射日光で、長期間人工的な光に慣れた株に、いきなり直射日光を当てるとかなりのストレスを与えてしまうことになります。

よく春先に植物を屋内から屋外へ移動した際、数日で葉焼けしてしまうことがありますが、これは光量の急激な差に適応できず起こる失敗です。

LED光源はあくまで人工的な補助光。太陽光は全く別物のエネルギー量があることに留意してください。

 

とまあ、少し緊張感のある言い方をしましたが、日光対策は簡単です。

遮光ネット越しに育てる

これだけです。

遮光ネットはその名のとおり光を遮り、流量をフィルタリングしてくれる資材です。

私は基本的に30%遮光(左)と75%遮光(右)の2種類を使っています。

 

 遮光ネットは網目の隙間だけ光を通過させ、熱もしっかりと遮断します。

30%遮光など透過率の低いタイプは、白色のセロファンのような材質で、光を全体的にやわらかく通します。

 

幼苗育成用に、30%遮光と75%遮光を併用し、日陰のような環境を作ります。( 75%遮光だけでもOK )

2〜3週間ほどこの遮光エリアで育てながら、太陽光以外の環境変化に慣らしていきます。

水は切らさないように、表土が乾く前にこまめにやってください。

余談ですが、30%遮光はタンクブロメリアや銀葉系ティランディアにとってもちょうど良い環境のようで、葉焼けしにくく発色も綺麗にでます。

 

 

屋外に出してから2〜3週間後、30%遮光のネットだけにします。

この状態で秋終わりまで管理できます。

植え替えたてはしばらく変化がありませんが、根張りが進めば成長も一気にスピードアップします。

 

遮光ネットは屋根代わりにもなるのが良いところで、たとえば豪雨のような天候でも雨粒を分散してくれるため、表土が荒れる心配がありません。

価格も安価ですし、とても有用ですのでぜひ用意してください。

遮光ネットを使わない場合は、軒下の影になっているところや、半日影の環境を探して育ててみてください。

 

 

今回はここまでです。

次回チャプター4では、前回できなかった簡易温室の構築と冬場の管理です。

それでは。

 

 

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